忙しい日々ですが、私のストレス発散になっているのが読書です。
基本インドア派、かつ、一人で出かかるなんて、なかなか難しい中、
子供達が寝た後など、隙間時間にちょこちょこと読んでいるものをご紹介していきます。
あらすじ
その島々は、西から東へ、ちぎれた帯のように点在している。
細長く横たわる島もあれば、お椀を伏せたようなこんもりとした島もあり、肥沃な平野に恵まれた島もあれば、険しい山がひとの訪れを拒む無人島もある。
名もなき小さな島も合わせれば島の数は四千を超えるとも言われるが、はっきりとした数はわからない。
島々は、海神たる蛇神の抜け殻からできた、という。
だから、島々は海神のものである。
海神の声を聞くのはただひとり、巫女王だけだった。
巫女王は離れ小島に住まい、表には現れず、巫女達にかしずかれて暮らす。
巫女達は皆、海神によって選ばれた、島々の女である。
彼女たちは、「海神の娘」と呼ばれた。
「海神の娘」は託宣によって、島々の領主のもとへと嫁いだ。
彼女たちを娶ることで、島は海神の加護を得て、繁栄するとのだという。
「後宮の烏」の世界観で、海を隔てた南の島々での婚姻のお話です。
「後宮の烏」を読んで、面白かったのと、
度々、作中に出てきた南の島々での人と神様の関わりが気になり読んでみました。
おすすめポイント
全部で四篇の短編小説です。
どのお話も平々凡々に結婚して幸せになりました!っというお話ではありません。
なぜ海神はその領主とその海神の娘をペアにするのか?っと思わせられます。
もっと、楽に幸せになる相手がいるのでは?っと・・・。
でも、この2人で乗り越えていく事、海神の娘が幸せになる事が海神を喜ばせる事なので、
平々凡々では海神は納得しないのでしょうね。
新しい領主や海神の娘の嫁ぎ先を託宣するだけでなく、
悪い行いをした領主にはしっかりと神罰が下っていました。
その点は「後宮の烏」より、神様と人とが近い関係にありました。
どの夫婦のお話も面白かったです。
特に最後の「琳と惠」では、話の始めに大体予想がつく内容でしたが、その通りになり。
琳と惠がそれぞれの領主のもとで暮らしていたら、
惠の領民が海神の禁忌を犯してしまい、ひどい日照りにあう。
そんな中、占いをしたら海神の怒りを鎮めるために惠を生贄にせよという結果になってしまった。
琳が巫女王の元へ行き助けを求めます。
話の中で、巫女王と海神の関係を垣間見ることができます。
2人もある種の夫婦であり、海神によって巫女王になったことは初代の海神の娘とも考えられます。
その背景にどんなことがあったのか、多くを語られていませんが、想像できる部分があります。
だから、巫女王は海神の娘の幸せを本当に願っていて、海神の神様らしい考え方に怒っています。
まとめ
「後宮の烏」を読んでいなくても、大丈夫な短編集で、どのお話の主人公達もハッピーエンドで終わっているので、後味もよく、サックと読みたいときや、読書なんて久しぶりな人にもおすすめです。
また、漫画化もされているので、文庫本に抵抗がある人は漫画でもおすすめです。
|
|
文庫本だけでなく、電子書籍でも販売されています。
こちらの方が嵩張らなくて、便利ですよね!