忙しい日々ですが、私のストレス発散になっているのが読書です。
基本インドア派、かつ、一人で出かかるなんて、なかなか難しい!!
子供達が寝た後など、隙間時間にちょこちょこと読んでいるものをご紹介していきます。
あらすじ
島々は、海神の抜け殻から生まれた。故に、島のすべたは海神のものである。土くれのひとつかみ、草木のひと枝一葉、流れる川の水一滴、魚に島に人、ことごとく海神のものである。海神は、深く暗い水底に憩い、蟠る。その声を聞けるのは、巫女王霊子ただひとり。巫女王の島に集う巫女達ー「海神の娘」は、託宣により島々の領主に嫁ぐと決まっている。嫁ぐ相手が正か邪か、婚姻が吉か凶か、それは誰にもわからない。すべては、海神の思し召し。
世界の南のはずれ、蛇神の抜け殻から生まれた島々。領主は「海神の娘」を娶り、加護を受けていた。沙来の天才楽師・忌は海から聞こえる音色に心を奪われ、滅びの曲とも知らずに奏でてしまう。隣国・沙文と戦を重ねていた沙来は領主を失い、「海神の娘」累が産んだ男児は「敵国・沙文の次の領主となる」と託宣を受ける。自らの運命を知り、懸命に生きる若き領主と神の娘の婚姻譚。
前作を読んで、今度はどんな夫婦のお話なのか、海神と巫女王の馴れ初めが読めるかも?!と思い読んでみました。
おすすめポイント
前作から引き続き短編集です。
大筋として沙来と沙文がどんな理由かわからなくなる程、長い間争いを続けている。
ついに、海神の神罰が下り、沙来は滅び、沙文も甚大な被害を受ける。
けれど、沙文は沙来の人びとを助け、ともに一つの国になろうと復興していくお話ですが・・・。
非常に、重い、暗い、幸せとはどこに??っとなるようなお話ばかりで、
自分がネガティブな時には読まない方がいいですね。
唯一、イイ事は、託宣により敵国の領主となった幼子がすくすくと成長していること。
そして、立派な領主になり、復興のため尽力している様子でしょうか。
なぜ沙来が滅び、沙文が助かったのか、
悪行の数々は沙文にありそうなのに?っと思っていたら、海神の思し召しでした。
なかなか理不尽というか、身勝手というか、さすが神様!!っと言った理由でしたね。
そこも物語を暗く、重くしています。
さらに、二つの敵対していた国々なので、人々の根強い差別、そこから生まれる諸問題が多い。
なかなか変化していかない。
それでも、新しい国を作っていくために両者を繋ごうとする人達が頑張っている。
本当に少しづつ、どちら出身なんて関係ないっと言ったくれる人が増えてきた中で、
全てを台無しにしかねない大事件が起きます。
本当になんで、そんな事したの?っと言いたくなるほどの事件です。
そしてお互いの気持ちも分かるから、判断に迷ってしまう。
法では決まっているけど、心情が問題をより難しくしていく。
この本を読んで、戦争がなくならない理由ってこうゆうことか!っと思いました。
戦争のニュースを見ても、なぜ止めないのだろう?っと思っていたけど、
人々の憎しみや差別ってなかなか消えないのでしょうね。
戦後生まれで、戦争なんて別の国の話だと思っていると、わからなくなります。
暗いお話が多い中で、好きだなっと思ったのが「鈍色に輝く」という一編です。
沙来と沙文の通婚の一例目となった少女の話です。
沙来の少女が沙文に嫁いで、嫌がらせを受ける。
でも、沙来では弱虫と言われて、縁談の話も無かった。
立場のない状態だった少女が、沙文の嫁ぐことで、
その少女にしかできない、両国の復興の手助けができる事を知った。
沙文に嫁げてよかったと言って終わるお話です。
両国を繋ごうと頑張っていくお話で、嫁ぐだけで役目はお終いではなく、
さらに自分のできることをやろうとする所がとても、好きです。
まとめ
前作を読んでいなくても、問題なく読めます。
短編集なのでサック読めるのも助かります。
色々と考えさせられるお話なので、少しづつ読むのがいいですね。
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