あらすじ
裏表紙より
稀代の巫術師と評判の董月季は、ある日「持ち主の次々と取り殺している」という香炉について依頼をうける。折しも同様の相談を受けていた許嫁の封霊燿と、巫術師見習いの渓と共に、月季は香炉の持ち主を訪ねる
しかしそこで遭遇したのは強力な女の幽鬼。月季は思わず祓ってしまうが、女の消える寸前に見せた表情が気になり、霊燿達と、女が住んでいた村に向かうが・・・。

ネタバレありの感想!
始まりは、月季の日常から。
月季がどのように、巫術師としの仕事をしているのか、彼女が人間ではなく、
幽鬼第一で、仕事をしているのが、わかりる。
死人に口無しだけど、幽鬼から話を聞き、幽鬼の望みを聞く。
「可能なら、楽土に送ってあげたい」そんな思いで、依頼を受けていた。
そんな中、持ち主を取り殺す香炉の依頼がくる。
香炉の持ち主達を辿りながら、取り憑く幽鬼の正体を探ろうとした。
調査中に依頼主から、「夫が死んでしまう」っと急いで、現場に向かう。
そこには、あでやかで美しい女の幽鬼がいた。その幽鬼は、月季を見ると敵意を向きだしにする。
生きている人間を助ける事を第一にして、幽鬼を滅した月季。
その刹那の幽鬼の表情が忘れられない。
かなしげな目をしていた。
深い川底のように暗く、憎しみを湛え、同時に胸をかき乱す悲哀に満ちた瞳だった。
女の瞳が月季の胸を貫き、どうしようもない悲しみと後悔に染まる。
救えなかった幽鬼の件を引きずっていた月季のところに、霊燿が例の香炉を持って訪れる。
「あの幽鬼のことが知りたいんだろ?俺も、あの幽鬼が香炉に取り憑いて事に興味がある」
後悔している月季が素直になれるように、霊燿はそう言った。
ちょっと、冷たい印象になりそうだけど、ちゃんと霊燿の事をわかっている月季には、
彼が自分を元気付けようとしていることを悟る。
霊燿の真っ直ぐな言葉で、月季を元気付けようとする姿が素敵🥰
ちょっと愛想が悪いから、怒っているように感じるけど、月季が心配なのよね。
調査すると女は郊外の村で、ある艶福家の別邸に妾として住んでいた事がわかった。
月季、霊燿、渓の3人で、その村に訪れると、村長から化け虎退治を依頼される。
女の正体は、月に一度か二度位しか来ない艶福家、妾だ妓女だと見下してくる村人しかいない村で、孤立した寂しい人だった。
また、この村では猫鬼(びょうき)を祀り、先祖代々、猫鬼を作る事をしていた。
化け虎は、幽鬼になった女が不完全ながらも作り出してしまったものだった。
村に住み着いたモグリの巫術師に護符の書き方などを教えてもらって、
寂しさを紛らわしていた女は、巫術の才能があった。
巫術にのめり込み、村に猫鬼信仰があることを知ってしまった。
廃廟で祈ると飼い猫は猫鬼になり、その行為を叱ったモグリの巫術師を噛み殺してしまった。
悲しみのあまり、女は睡蓮の池に入り、自殺した・・・。
そして、お気に入りだった香炉に取り憑いた・・・。
片田舎に妾として囲われて、村人からは見下されて、
祖父のように慕っていた巫術師を殺してしまって、何もかも嫌になったのかな😭
香炉に取り憑いて、片田舎に囲った艶福家のような男性を呪い殺していだんだろうな・・・。
本当なら、月季が1番、助けたいと思う幽鬼だったのに、
助けられなくて悔しいだろうね。
そして、月季とも重なるね。
継母から、虐待されて、巫術の才があったから董家に引き取られて、
祖父の千里から巫術を教えてもらった。
だから、当代一の巫術師として活躍できている。
ちょっと間違えると、月季もこの幽鬼のようになってたのかも・・・。
猫鬼は女を失い、暴走してしまった。だから、化け虎として霧雨になると現れていた。
なぜ、才能があったとしても、祈っただけで、猫鬼ができてしまったのか?
猫鬼作りは、廃れていて、猫鬼を祀る廟も、廃廟になっていたのに・・・?
疑問は残るが、日もくれたので、村長宅に一泊することになった。
その晩、村長は廃廟と猫鬼作りが描かれた巻物を燃やした。
燃える廃廟に、駆けつけた月季が見たのは、炎の猫。鬼猫信仰の土地神だった。
襲いくる土地神を退けたのは、月季の巫術ではなく、月季のうなじからどろりと出てきた黒い影だった。
猫鬼の土地神は黒い翼を持った影に喰われてしまった・・・。
色々、疑問は残るものの、郊外の村での一件は終了して、帰郷した3人。
その足で月季は祖父の千里の元を訪れ、継母の死から今回の件まで、全て隠さずに話した。
自分には、何かが取り憑いていて、それが継母を殺し、今回の土地神を喰ったのではないかと・・・。
数日後、月季と霊燿は勅命を受ける。
「地方の廟神の動向を調べよ」
公にはされていないが、猫鬼のように、地方の土地神の活動が活発になっている報告が複数あり、
巫術師達が調査しているが、原因がわからないという。
月季の生家でも、地方特有の信仰の廟があったという。
月季に取り憑く黒い影が、地方の土地神ではないか?っと千里は言う。
月季、霊燿、渓の3人で各地を巡り、調査する事になった。
烏后(うひ)になる話じゃなかった😳
月季に取り憑いているのは別の何か😱
烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の信仰が薄れると他の神々が活発になるらしい。
その正体を突き止められるのか?月季から祓えるのか?
続きが気になる展開です。
そして、渓の第三者としての意見が月季に刺さります。
「お前が朝廷の敵にならないように、董家に引き取られて、育てられたんだよ!」
月季も薄々感じていた事だった。
「遠縁も嘘だろう。巫術の才を見込んで後継に!とも思ったが、既に巫術師の後継はいた・・・」
なんか、策略がありそうでいやだけど、千里の様子は、本当に孫娘を可愛がる祖父に見えるから、
養子にした1番最初の理由は、朝廷の敵にならないように!でも、
今は、大事な孫娘が無事に帰ってくることを祈って欲しい🥺
3人とお付きの人達と共に、旅立つところで終わっています。
次はどこに行って、どんな土地神が出てくるのか?
月季と霊燿の関係は進展するのか?楽しみです🥰
前作の「後宮の烏」では、地方の特徴やおおまかな地形の話が出ましたが、
登場したのは、ごく一部。どんな都市が出てくるのか!
まとめ
各地を巡るストーリーになりましたね。
各地でどんな土地神が出てくるのか?
月季に取り憑くものの正体とは?
色々と気になる事が満載なので、次巻も読みたいと思います‼️
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